気候変動への対応
-TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示
当社グループは企業理念である「Wow the World!(すべての人に感動を)」をもとに、大きく課題になっている気候変動問題について取り組んでいきます。
TCFDへの提言についても、2023年7月に賛同表明をしております。
TCFDとは、Task force on Climate-related Financial Disclosuresの略であり、日本では「気候関連財務情報開示タスクフォース」と呼ばれています。
各企業の気候変動への取り組みを具体的に開示することを推奨する、国際的な組織になります。
ガバナンス
気候変動への対応に関しては、当社グループの全リスクを統括するリスクマネジメント委員会(取締役会の諮問機関)が審議·検討を行います。
委員会の構成
当委員会は、委員長である代表取締役の下、取締役、Legal部長及び各部長、加えて社外の弁護士などから構成され、Internal Control&Auditが委員会の事務を務めています。
委員会の役割
当委員会は原則四半期に1回以上開催され、様々なサステナビリティや気候変動に関する課題を議題として取り上げ、適宜取締役会等上位の会議体に対し提言や問題提起を求められています。
具体的には以下の通りです。
(1)当社グループのリスクの洗い出し·評価
(2)リスクに応じたコントロール策の検討
(3)コントロール策が有効に機能しているかのモニタリング
(4)発生したクライシスへの対応
(5)事業継続計画に関する審議
(6)取締役会への報告
委員会のプロセス
リスク管理委員会の議論は書面にて記録され、決議に関しては委員長が委員の意見を十分に考慮したうえで決議されますが、反対の意見があった場合に当該意見を付記した上で取締役会へ報告されます。
※来年以降、よりサステナビリティ分野の議題を取り上げる場として、サステナビリティ委員会を組成することも検討しています。
戦略
当社グループは、国連機構変動に関する政府間パネル(IPCC)の各報告書、国際エネルギー機関(IEA)の世界エネルギー展望(World Energy Outlook)、その他関連情報を参照し、気候変動のリスク及び機会がもたらす組織のビジネス・戦略・財務計画への影響を1.5℃シナリオの下で識別しています。
気候関連のリスク及び機会を識別するにあたっては、移行リスク·物理的リスク·機会に分類しております。
これらの分類ごとに、当社グループの調達と売上に対する財務的影響の大きさを短期(1年)、中期(3年)、長期(10年)の時間軸で定性的に評価·分析し、リスクと機会が組織に与える影響を把握しています。今般、2022年4月期における財務データ等を元に気候関連のリスクと機会を分析しました。
※当社グループでは、2021年11月の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)にて産業革命前からの気温上昇を「1.5℃」に抑える努力を追求するとした合意文書が採択されていることから、「1.5℃シナリオ」に沿った開示を行っています。
1.5℃シナリオ
リスク・ 機会 |
説明 | 対応 |
---|---|---|
移行 リスク |
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物理的 リスク |
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機会 |
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- GHGとは温室効果ガス、Greenhouse Gasの略称
- 移行リスクとは、低炭素経済への「移行」に関するリスクを言う
- 物理リスクとは、気候変動による「物理的」変化に関するリスクを言う
- 機会とは、気候変動によって生まれるビジネスの「機会」を言う
リスク管理
当社グループでは、リスクマネジメント委員会において、気候変動も含むあらゆるリスクと機会を洗い出し、その影響度からリスクの評価及び順位付けを行ったうえで重要リスクを選定し、取締役会に報告します。
取締役会はリスクに対する対応策を審議し、各部門に対して監督·指示を行います。
各部門は対応策を実施し、リスクマネジメント委員会がその実施状況をモニタリングし、必要に応じて対応策の見直しを行い、気候変動によるリスクと機会を適切に管理していきます。
指標及び目標
気候関連リスク及び機会の評価指標
当社グループでは、以下のとおり、気候関連のリスクと機会毎に指標を設定し、これら指標の動向を分析して財務に対する影響度を検討しています。
リスク・機会 | 指標 | |
---|---|---|
移行リスク | 政策・ 法規制リスク |
CO2排出規制 |
技術リスク | 新規施設・機材の入替 | |
市場リスク | コスト増・需要減 | |
評判リスク | 製品・サービスへの悪評 | |
物理的リスク | 急性リスク | 自然災害 |
慢性リスク1 | 気温上昇 | |
慢性リスク2 | 海面上昇 | |
機会 | 資源の効率性 | 交通・流通・建物の効率性増 |
エネルギー源 | 低炭素エネルギー源増 | |
製品・ サービス |
新製品・サービスの開発 | |
市場 | 新市場の登場 | |
強靭性 | 省エネ・資源代替 |
スコープ別温室効果ガス(GHG)排出量と関連リスク
スコープ別の温室効果ガス排出量について、GHGプロトコルに基づき、外部専門家の監修により算定を行っております。2022年4月期より、当社を対象として(子会社除く)、スコープ1、2を算定しております。
CO2 排出量 |
2022年4月期 | 2023年4月期 | |
---|---|---|---|
Scope1 | 6.501 | 8.015 | |
Scope2 | 384.836 | 437.855 | |
総排出量 | 391.337 | 445.87 |
- Scope1:
- 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
- Scope2:
- 他社から共有された電気、熱・上記の仕様に伴う間接排出